巻かれた殿さま

巻かれた殿さま

大変です。毛利の殿さまが、とうとう巻かれてしまったようなんです。いつかこんな日がくるだろうとは思っていました。それでも実際にそのときが訪れたとなったら、黙ってはいられないものですね。

取り乱しているわけではありません。ちょっと慌てているだけです。それを取り乱しているというのでしょうか。何も乱れているつもりはないのですが。

一度落ち着くことにします。毛利の殿さまとは、どんな殿さまなのか?どんなって言うまでもありません。毛利の殿さまだと言っているじゃないですか。それでは、毛利とは何のか?一体何に巻かれてしまったのか?そんなこと、私が答えられるわけがないでしょう。私だって知らないのですから。

わかっていることと言えば、1988年に開催された第21回全国菓子大博覧会で厚生大臣賞、1994年に開催された第22回全国菓子大博覧会で総裁賞を受賞した実績の持ち主だいうことだけ。

全国菓子大博覧会の別名は和菓子のオリンピック。そんな大会で殿さまが賞を受賞することもあるのか?人間のオリンピックで和菓子が賞を受賞することなんて有り得ないように、和菓子のオリンピックで人間が賞をいただくことも有り得るわけありません。

突き詰めていくと、毛利の殿さまは和菓子の名前であることが判明。これは山口県萩市にある松栄堂によって作られているもので、萩市の土産菓子でもあるんだそうです。最初から取り乱してはいませんが、何も慌てることもなかったですね。

和菓子とわかれば、今度はどんな和菓子なのかが気になるところ。夏みかんを入れて練り上げた小豆餡を餅と一緒にして、一文字焼きの生地で焼き上げたもの。それが、毛利の殿さま巻きと名づけられた和菓子で、源氏巻きをモデルに作られたようですよ。

目指されたのは、味・形・舌ざわりの三位一体。そのことから毛利元就の「三矢の訓」の故事にあやかって、この名をつけたと言います。

身近に山口県萩市まで行く人がいたら、ゼヒお土産に「毛利の殿さま巻き」を買ってきてもらいたいです。どうやらとても人気が高いらしく、萩市に行ったらこれを買わないと帰ることはできないという人もたくさんいるようです。毛利の殿さま、全国にFANがいるんですね♪

食べられる木の葉石

木の葉の化石がたくさん含まれている堆積岩(ほとんどは泥岩)のことを「木の葉石」と呼びます。有名なのは、栃木県塩原町の近くから出土するもの。また、木の葉の印痕がある温泉沈殿物のことも同じく、「木の葉石」と呼ばれるようです。

堆積岩?泥岩?温泉沈殿物?何それ?そんな人も大勢いることでしょう。堆積岩・泥岩・温泉沈殿物のそれぞれが、どんなものなのかはわからないかもしれません。でも、それらが決して食べものじゃないことは、ほとんどの人がわかることだと思います。

でもね、実は「木の葉石」って全国菓子大博覧会で内閣総理大臣賞を受賞しているんですよ。木の葉石が名誉ある賞を受賞したのは、1994年に開催された第22回目の大博覧会でのこと。和菓子のオリンピックとも呼ばれる大会で、堆積岩が賞を受賞することなんてあるのか?そもそもそんな大会に、堆積岩が出場することなんてあるのか?

もちろんそんなことがあるわけありません。全国菓子大博覧会で内閣総理大臣賞を受賞したのは、田村萬盛堂が作る「木の葉石」です。田村萬盛堂では、堆積岩を作っているのかって?いえいえ、そこで作られている木の葉石は堆積岩ではなく、焼き菓子です。

田村萬盛堂は、富山県のお菓子屋さん。「木の葉石」とは、富山県指定天然記念物でもある木の葉石をイメージした焼き菓子のことなのです。焼き菓子の木の葉石は何で作られているのかと言うと、アーモンド・上白糖・ゴマ・卵・小麦粉。アーモンドがトップに来ている通り、その香ばしさは満点。アーモンドと一緒に、黒ゴマも風味豊かに香ります。

なんとこの木の葉石、内閣総理大臣賞に輝いた実績があるだけじゃなく、桂ノ宮様からお褒めの言葉まで頂戴しているようなんです。桂ノ宮様にお褒め頂くほどなのですから、それはそれは大変香ばしく美味しいものなのでしょう。アーモンドと黒ゴマの豊かな風味と抜群の香ばしさと控えめで上品な甘さが、口より先に頭の中いっぱいに広がります。

ちなみに田村萬盛堂に足を運ぶと、本物の木の葉石を見られるようですよ。お店の横小路に置かれているのは、赤祖父川砂防工事のときに取り出されたものなんですって。焼き菓子の木の葉石は食べてみたいし、本物の木の葉石も見てみたいです。